2002年10月1日〜2003年9月30日の期間、文部科学省在外研究員(若手枠:
申請時35歳以下)としてロンドン大学のカレッジの一つである University
College London (UCL) に滞在いたしましたので、英国の様子などご報告い
たします。
1. UCLについて
オックスフォード、ケンブリッジ大学に次ぐ大学として創立されたロンドン
大学の中で、University College London(UCL)は、1826年に最初に作られた
カレッジです。英国の大学は日本のそれとは組織が異なり、独立に運営されるカレッジの集合体です。カレッジを単科大学と訳す場合もあるようですが、
英国のカレッジはそれ自体が日本でいう総合大学で、複数の学部、大学院、
研究所を擁しています。ロンドン大学はUCLの他に、インペリアル・カレッジ、
キングズ・カレッジなどの大きなカレッジを持っています。
UCLにゆかりのあ
る人々では、功利主義で有名な社会学者のベンサム(大学内に像があるほか、
近くにベンサムという名前のパブがありました)、進化論のダーウィンなどが
代表的なところでしょう。
UCLは日本との関わりも深く、1863年には伊藤博文、井上馨ら5名が、1865年
には寺島宗則、森有礼、五代友厚ら10数名が留学生としてやってきたところです。UCLの中庭にはこのことを記念して、日英協会、日本大使館、UCLの共同事業により記念碑が建てられています。また、夏目漱石が明治政府から派遣されてきたのもUCLでした。
現在、日本からの留学生は100名弱とのこと。
日本企業の出資による研究所もあるようです。その他、正門から入ってす
ぐの庭には、1975年に東京から送られたという大きな桜の樹があって、3月
中旬から4月下旬まで、美しい花をいっぱいに咲かせていました。
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